紙漉きの起源
埼玉県小川町は山地・盆地・丘陵と地形が非常に変化に富んでおり、この特徴を活かして自然を取り込む形で様々な副業が盛んになって地場産業へと発展させてきました。紙漉きはその代表となる産業です。小川和紙の前身とされる武蔵国紙の史料から、西暦774年頃から和紙が作られていたことが確認されており、起源は古代に遡ると考えられています。
産地の確立と文化遺産登録
江戸時代中期に和紙が庶民に普及すると、江戸に近いことから小川を中心とした比企、秩父、男衾の3郡で紙漉きの一大産地となります。様々な種類の紙が漉かれ、総称として「小川紙」と呼ばれましたが、その中で細川紙が主流となっていきました。1978年に国の重要無形文化財に指定された細川紙は、2014年に埼玉県初のユネスコ無形文化遺産にも登録されました。