取材日:2021年5月10日
テキスト・写真:大曽根悠太
比企郡滑川町のとある丘の上に、広い牧場があるのをご存じだろうか?
地元でもまだあまり知られていない牧場の名前は「比企の丘キッズガルデン」
いざ行ってみようと思ってカーナビで施設名を検索してもうまく出てこないかもしれない…
県道沿いを走ると「谷津の里」「ヒルトップファーム」という大きな看板が見えてくる。
牧場の看板は、目を凝らさないと視野に入ってこないほど、穴場である (笑)
看板が案内する道をしばらく進むと、さらに看板が見えてくる。もう少し進む必要がありそうだ。
やっと見えてきた牧舎のような建物と、柵で囲まれた馬場。ここが「比企の丘キッズガルデン」で間違いなさそうだ!
丘の傾斜には馬が放し飼いにされ、地面の草をむしゃむしゃ食べている。
馬種も、黒毛、栗毛、白毛など様々。
実に生き生きと、ダイナミックに動き回っていて、人にも慣れているようだ。
こちらが牧場長の王さん。15年ほど前、香港から日本に留学で訪れ、大学卒業後はかねてより興味のあった”乗馬”の勉強のため、北海道や島根など様々な地を訪れ経験を積み、埼玉のこの地で牧場オーナーとなった。
“風、水、土、光、舞、書、無、農、馬、命 に寄り添う牧場” をテーマに、生命の誕生・消滅と日々隣り合わせに、
生き物から多くのことを学んで生きているという。
牧場長が乗っていたのが、漆黒の毛並みが美しい”フリージアンホース”という種類の馬。オランダが起源で、古くから乗用馬や輓用馬としてとても人気のある種類らしい。たてがみもエレガントで、筋肉隆々。実にダイナミック!
場内にはポニーも2頭いる。フリージアンと比べるとひと回り小さいが、馬力は劣らないとのこと。
こちらはヤギの親子。子ヤギはまだ生まれたばかりで、ずっと親ヤギに寄り添ってる。何とも愛らしくほほえましい風景。
ニワトリの親子にも出逢えた♥ここで生み落とされた卵も大地の恵みとしてありがたく頂くそう。
王さんがイチオシで案内してくれたのがココ。一見すると土の山に見えるが、コレ何かな…?と尋ねると、「馬糞だよ」、と笑顔で答えてた。
よくよく話を聞くと、馬は寝るとき以外は四六時中雑草を食べていて、排せつも頻繁にするため、においのキツくない植物由来のうんちをいっぱいするのだそう。その大量の糞をかき集め、しばらく乾燥させると良質なたい肥になり、野菜や植物の畑の土壌改良には最適なのだとか!
鶏糞、牛糞、豚糞…と色んな動物由来のたい肥は目にするが、”馬糞たい肥”ってそんなに見聞きしないのは私だけでか?
牧場のすぐ隣で畑を営んでいる農家さんにも使ってもらってるそうだ。
「比企の丘キッズガルデン」は、もともとは果樹園だったのだそう。
その名残か、場内にはあんずの木や梅の木、さくらんぼの木など…実のなる木々がたくさん植わってる。
牧場事務所のとなりにあるフリースペースでは、ここを訪れるひとたちに向けて馬の飼育や乗馬についての勉強会を開いたり、ギャラリールームなどとして活用している。何かに活用したいという方はぜお声がけを♬
現在、比企の丘キッズガルデンでは、牧場会員も大募集している!
一般会員と家族会員の2種類があり、牧場の暮らしを学習するためのシステムとなっている。
乗馬、馬車、飼育、農園…などなど、牧場の暮らしには様々な活動があり、子どもから大人まであらゆる年齢層の方が体験できる。
この経験を通して、セラピー、教育、スポーツ、心身の健康増進など…あらゆる効果が期待できると王さんは言う。
また「比企キッズガルデン」のとなりには、「谷津の里いちご狩り農園」があり、花芽があがってから一切の消毒をせずに栽培された「世界で一番美味しくて、安心安全ないちご」を楽しむことが出来る。
また「ヒルトップファーム」という雑貨店併設のレストランもあり、動物たちとふれあってお腹が空いたらここで休憩することも出来る。
ヒルトップファームではブルーベリー狩りも出来るそう。これからのシーズンにはぴったし!
詳細は店舗までお問い合わせを!
施設名 | 比企の丘キッズガルデン |
所在地 | 埼玉県比企郡滑川町大字福田2141-6 |
アクセス | 電車・バスの方 東武東上線 「森林公園駅」北口から「立正大学ゆき」または「熊谷駅南口ゆき」乗車。「森林公園西口」バス停にて下車。バス停より徒歩約7分。 車の場合 関越自動車道「東松山IC」下車約15分。 |
電話番号 | 比企の丘キッズガルデン: 0493-81-7370 谷津の里いちご狩り農園:0493-56-5055 ヒルトップファーム: 0493-56-5055 |
駐車場 | あり |
入場料 | 無料(※牧場の暮らし体験プログラム、乗馬体験は有料) |