2021年8月OPEN。小川町駅前通りの太田ホルモン隣に、ひっそりと佇むイタリアン食堂。
もちもちの生パスタ各種やアペタイザー、ヨーロッパを中心とする自然派ワインを楽しむことができる。
店主の斎藤さんは小川町生まれ&育ち。現在の店を改装する前、かつては『斎藤パーマ』という美容室だった。おばあさんが営んでいて、子どもの頃からよく仕事の風景を目にしていたそうだ。
そんな影響もあって、高校卒業後に美容師を目指すべく上京した斎藤さん。専門的な技術を身に着けていく傍らで、小川町で飲食店を営んでいたこともある母親の影響で料理にも関心を持ち、いつしか都内で飲食店を持つまでになった。おそよ9年間、世田谷区で飲食店経営を経たのち、故郷小川町へUターン。
この町に暮らすひとたちに親しみを感じてもらえるように…との想いを込めて「おがわ食堂」という名が付いた。
面高な外観は、アッシュグレーのシンプルな色調。夜は、特徴的なポップな看板が浮き立つように輪郭を灯す。
店舗併用住宅で、特有の佇まいが駅前の商店通りには印象的だ。
一見、入って良いのか…と少し躊躇するかもしれないが、中に入れば思いもよらない空間が出迎えてくれる。各フロアの天井をうがったかのように開放的な吹き抜け。モダンながらどこか懐古的なインテリア。
店内照明は幻想的なガラスのコーティングでやさしく灯り、秩序なくいびつに曲がったスプーンの集合体のようなシャンデリアがなんとも印象的だ。
木の温かみある壁をクロスする無骨な鉄棒。カラフルな椅子…その世界が、まるでひとつのインスタレーションのように、入店するひとを圧倒する。同級生の建築事務所が手掛けたそうだ。
緊急事態宣言も明け、今はランチ・ディナーの2部営業。メニューはメインの”生パスタ”のほか、ピザ、ニョッキグラタンなどの主食メニューと、ディナーからはサラダ、マリネ、アヒージョ、煮込み料理など…各種アペタイザーが充実するほか、店主こだわりのナチュールワイン、クラフトビールなどのアルコールがディナーに彩りを添える。
茹で加減が命の”生パスタ”はモチモチの麺の食感と、鮮度ある具材が調和して瞬く間に充足感に満てる逸品。
地元野菜を使ったメニューもあれば、海鮮メニューも充実していて、内陸の小川町で”山”と”海”の幸両方を楽しめるのがありがたい。
ワインはイタリア、フランス、スペイン、ドイツなどヨーロッパを中心に取り揃え、「農家の顔が見えるワインリスト」というメニュー表には、ワイン製造にかかわる生産者や製造者のこだわりをつぶさに感じ取ることが出来る。
クリスマスや、ちょっとした特別な日の夜には打ってつけのラインナップと言える。
開店してから間もなくということもあり、まだまだ営業については模索するところが多いが、斎藤さんがぶれずに心の軸に据えてることがある。
それは家族との時間を大切にした「スローライフ」の考え。
東京の職場で知り合い結婚し、ともに小川町に移り住んだ2つ年上の奥さんと、町内の幼稚園に通う娘さんとの3人暮らし。 ランチは奥さんと一緒に接客をこなすも、ディナーは斎藤さん一人が来客をもてなす。
幼稚園の送り迎えは夫婦で分担し、定休の日曜日は家族3人の時間を大切にする。
ディナータイムに店に座っていると、娘さんが店舗裏の自宅スペースから扉ひとつ介して、厨房に立つお父さんと会話している姿がなんとも印象的だった。
小川町ではある種のニュージャンルをまとうも、そこに確かな家族のつながりと、心のこもった温かい料理とお酒があなたをお出迎えする。
ぜひ一度、足を運んでみてはいかがだろうか?
店名 | おがわ食堂 |
所在地 | 埼玉県比企郡小川町大塚45-7 |
電話番号 | 0493-72-0187 |
営業時間 | ランチ 11時30分〜14時00分 (L.O13時30分) ディナー17時00分〜21時00分 (L.O20時00分) |
定休日 | 日曜日 (月曜日が定休の月間もあり) ※年内は12月25日まで。年始は1月4日より。 |
メニュー例 | 【ランチ】 ・生パスタorピザ(サラダ付き) :1,000円(税込) ※ドリンク・ドルチェセット:+500円(税込) 【ディナー】 ・前菜盛り合わせ:1,100円(税込)~ ・ズワイガニとアボガドのサラダ 自家製マンゴードレッシング:990円(税込) ・北海水ダコと北あかりのジャーマンポテト:550円(税込) ・牛すじの赤ワイン煮込み:660円(税込) ・むきエビとアボガドのタルタル:880円(税込) ・イイダコとやりイカの地中海風マリネ:880円(税込) ・自然派ワイン各種 ※シーズンによってメニューは変わります |
URL | https://www.instagram.com/ogawashokudo/ |